【Vol.25】必要な什器・備品を明確にし、購入先を選定する

このページで勉強できること…
  1. 必要な什器と備品
  2. コンセプトを意識する
  3. 備品を購入する際の注意点
  4. 必要な備品の紹介とおすすめの購入方法

美容師として独立開業し、美容室オーナーになるまでに必要なこと、知っておきたいことをまとめたこの連載も今回で第25回です。今回は「 必要な什器と備品を明確にし、購入先を選定する」について解説いたします。

物件、内装が決まれば、次に必要なものはサロン器具や備品です。お店を営業していくにはどういった備品が必要になるでしょうかかを考えていきましょう。
美容室を開業するにはたくさんの什器、備品が必要です。また、購入方法も多くの手段があります。

  • 「実際に何が必要なの?」
  • 「全部揃えるのにいくらかかる?」
  • 「購入する備品を決めたけど、コストを抑えるには?」

この記事ではそんな悩みを解決するため、必要な備品紹介とその選び方。また、購入方法について解説いたします。

1.必要な什器と備品

美容室を開業するには、什器や備品も一から揃える必要があります。実際に備品を揃えるのにかかる相場は、200~400万ほどかかるといわれてます。

施術に使用するハサミやシャンプーはもちろん、シャンプー台や鏡なども必要になります。レジやソファーなどのインテリアも全て揃えないといけません。そのため、全て揃えるにあたりかなり大きな費用がかかるのです。

独立するまでは一人のスタッフですから、自分の仕事に必要なハサミなど細かい備品だけ揃えれば十分だったかと思います。
しかし自分がオーナーとなるからにはお店の営業をしていくのに必要なものを全て買い揃える必要があります。ハサミやダッカール類などはお店で働くスタッフが使いやすいものを揃えましょう。

注意
デザインやコスト面をばかりを優先に考えて、スタッフにとっては使いにくいものになってしまってはいけません。スタッフが持ってる力を最大限発揮できるように使いやすい備品を選ぶようにしましょう。そうすることで、スタッフのモチベーションが高まり、一人ひとりの売り上げをあげることに繋がるのです。

また、リピーターを増やすために何ができるかも考えなければなりません。
例えば、待ち時間にドリンクを提供したり、お店のインテリアとしてプロジェクターを取り入れているお店もありますね。リピーターを増やす為に自身のお店にあった「オリジナルの付加価値 」を考えましょう。

 2.コンセプトを意識する

備品や設備を選ぶときは、この連載の中で何度もお伝えしている「コンセプト」を意識することが大切です。シャンプーやカラー剤などの商材、店内のインテリアや雰囲気。こういったものをお店のコンセプトとマッチさせましょう。

シャンプーやカラー剤などの直接お客様に使用するものは、そのままお店のイメージになります。さらにはお店の口コミや評判にも大きく関わりますので、どの商品を使うかは慎重に選ぶ必要があります。その商材がお店の強みになるよう、時間をかけてこだわりのものをチョイスしましょう。

インテリアも同様、どういう雰囲気のお店にしたいかによって購入すべきものも変わってくると思います。どういった性別、年齢層をターゲットにして、そのお客様に対してどういったサービスを提供したいのかを明確にし、そのお店作りに必要な備品を考えましょう。コンセプトを再確認し、備品を選択することが大切です。

 3.備品を購入する際の注意点

備品を選ぶにあたり注意すべき点はいろいろありますが、今回は以下の4つに分けて解説します。

  1. リストを作成する
  2. コストを削減する
  3. .購入方法を選定しましょう
  4. サービス向上に必要なもの

では、順に解説いたします。

(1)リストを作成する

まず初めに、購入するものをジャンルや購入先ごとに分けてリストにしましょう。

必要な数量や料金、購入する時期も書いておくと便利です。そうすることで買い忘れを防止できますし、実際いくらかかるか、見積もりも出しやすくなります。
後で、経費の計算をする際に役に立ちますので、細かく書いておくことをおすすめします。


(2)コストを削減する

美容室を開業する際には、当たり前ですが初期費用は大きくなります。

最低限必要なものから買うようにし、インテリアなど後から追加で買えるものは後回しにして予算内に初期費用を抑えましょう。
また、コストをかけてそろえるべきものと、そうでないものを区別するのがおすすめです。

例えば、シャンプー台などの大型で長期間使用するであろうもの、ドライヤーやダッカールなどの施術の質にかかわるもの。こういったものは、コストをかけてでも品質の良い物を揃えましょう。

逆に、インテリアに関するもの、スタッフの使用する事務用品などはできる限りコストの削減を考えましょう。百円均一やニトリ、IKEAなどで安く揃えたり、メルカリやYahoo!オークションなどで中古品を安く見つけることも検討すると良いでしょう。


(3)購入方法を選定しましょう

特にシャンプー台などの大型器具は金額が高くなる分、じっくり考える必要があります。美容専門通販サイト、大手通販サイトで購入する方法が一般的だと思います。

美容通販サイトは、美容師にとって必要な物がすべてそろっているので、簡単に揃えることができますし、業務用などで低価格で販売されているものもあります。
大手通販サイトなら、出品数が多いので同じ商品でもサイトによって安く購入する事が出来たり、実際に使用している人の口コミも見ることができます。

MEMO
他の方法としては、アウトレット品や中古品を購入することもできます。
アウトレット品や中古品は、安く変える事はメリットですが、保証書がなかったり最悪な場合、正常に使えない、などのデメリットもあります。デメリットとコストの部分を比較し、よく考えてから購入しましょう。

購入せずにレンタルする方法もあります。大型備品をリースにすれば、購入するのと違って月々の支払いになるので最初にかかる費用はかなり抑えられます。例えば最初はリースで導入して、ある程度売上が見込めてきた時に、購入するのも良い方法でしょう。

 (4)サービス向上に必要なもの

お客様に満足していただき、もう一度来たいと思えるようなお店にするためには、十分なスキル・施術や良い接客は必須です。ですがそれ以外のおもてなしもお客様の満足度を上げる大きなポイントです。

来店されたお客様は、短くても1時間、長ければ2〜3時間美容室に滞在します。その時間を「長かった、退屈だった」ではなく、特別なものと思ってもらえるようにと考えましょう。

そのためにはカラーの待ち時間やトイレなども快適に過ごしてもらえるような工夫が必要です。ドリンクを提供したり音楽を流したり、他にも店舗独自で出来る事があれば、よりその店を特別だと思って貰えるでしょう。

他にも、インテリアをこだわりお店の中の雰囲気を良くすれば、それだけでも行ってみたいと思われるようなお店は作れます。家具などの備品には、あまりコストをかけたくはありませんが、特別な空間を演出することは大切です。アウトレット品やメルカリなどもうまく利用して、コストをかけずにお店のコンセプトにあったインテリアを選ぶといいですね。

 4.必要な備品の紹介とおすすめの購入方法

以上のようなことを考えながら、必要なもののリストを作っていきます。参考例として、多くの店舗で必要となるものをリストにしてみます。

大型器具や機械類

  • カット椅子
  • セット椅子
  • シャンプー台
  • デジタルパーマ用機器
  • ワゴン
  • ローラーボール(加温器)
  • ドライヤー
  • ヘアアイロン/コテ
  • お客様用ドリンクなどを入れる冷蔵庫
  • オーディオ
  • レジ
  • パソコン
  • 電話
購入方法
大手通販サイト、美容通販サイト、アウトレット、レンタル

シザーなどの備品

  • シザー類
  • コーム類
  • ヘアダイカップ
  • パーマ剤容器
  • 塗布用のはけ
  • ダッカール
  • スプレイヤー
  • パーマロッド
  • スティック
  • ロッドアウト容器
  • タイマー
  • スケール
購入方法
美容通販サイト、大手通販サイト

消耗品

  • イヤーキャップ
  • ペーパー
  • パーマゴム
  • タオル
  • アルミホイル
  • コットン
  • 保護クリーム
  • 各種薬剤
  • シャンプー/トリートメント
  • ゴム手袋
購入方法
美容通販サイト、大手通販サイト

インテリア・小物

  • ミラー
  • ハンガーラック
  • ハンガー
  • 観葉植物
  • ゴミ箱
  • ほうき/ちりとり
  • 傘立
  • ティッシュカバー
  • 照明
  • カーテン
  • マガジンラック
  • ブランケット
  • 待合室用チェア/テーブル
  • 事務用品
購入方法
大手通販サイト、ニトリなど、リサイクルショップ、百円均一、メルカリなど

サービスを向上するための備品

  • コップ/ドリンク
  • 音楽/映像
  • アロマ
  • 加湿器
  • 雑誌
  • 消毒液(感染症対策)
購入方法
大手通販サイト、本屋、百円均一、ニトリなど、メルカリなど

今回は「必要な什器と備品を明確にし、購入先を選定する」ことについて解説いたしました。ポイントをまとめておきましょう。

まとめ
  • リスト化して買うべき商品を整理する
  • コストを削減するために、商品のジャンルにおうじて購入方法を選択する
  • お店のコンセプトにあったものを選ぶ
  • もう一度利用してもらうために、どういったサービスを提供できるかをよく検討する

次回は「求人の方法」について解説していきます。
この連載があなたの美容室開業の助けになれば嬉しく思います。