シェアサロンとは?フリーランス美容師が利用するメリット&デメリット

この記事はこんな美容師におすすめ!

  • 今のサロンを辞めて、フリーランスになりたい
  • シェアサロンを利用するメリットやデメリットを知りたい
  • そもそも自分がフリーランスに向いているのか分からない…

近年、美容師の中でもフリーランスで働くという考えが広まりつつあります。そしてそれに伴い登場したのが、『シェアサロン』という新しい美容院のカタチ。

今回は、そんなシェアサロンに関する基礎知識を詳しく解説していきます。メリットやデメリットをはじめ、利用に向いている人の傾向などもまとめました。

フリーランスの美容師になろうか迷いのある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。きっと新しい働き方のヒントが見つかりますよ。

基本『シェアサロン』とは?

簡単に言うとシェアサロンとは、『店舗を持たないフリーランス美容師のために、美容室の施設を貸し出すサロン』のことを言います。

その名の通り、「複数人のフリーランスの美容師でひとつのサロンをシェアする」というイメージを持ってもらうと良いかもしれません。

MEMO

基本的にはセット面やシャンプー台はもちろん、ドライヤーやコテなどの備品も揃っているので、美容師はハサミや薬剤さえ持っていればOK。その場でとても気軽にお客様の施術をはじめることができます。

『業務委託サロン』と『面貸し』との違いとは?

シェアサロンについてより理解を深めるために、混合されがちな「業務委託サロン」と「面貸し」との違いも確認しておきましょう。

業務委託サロン

フリーランスの美容師が「業務委託サロン」で働く場合、ひとりのサロンスタッフとしてその美容室で働くことになります。つまり薬剤などの備品はサロンが準備したものを使い、カットメニューもサロンで定められたものに従うということです。

しかし、あくまで一人の個人事業主として業務委託を契約をしているため、美容室との間に雇用関係はありません。

お金に関しても、正社員やパートのように給与をもらうのではなく、事前に決められた還元率に応じて報酬を受け取ります。(※還元率はサロンによって異なります。)

面貸し

面貸しとは、サロンの空いてる席やスペースを借りてフリーランスの美容師が営業を行うシステムのこと。

美容師は店舗と契約することで面貸利用者という立場になり、決められたスペースを自由に使うことができるのです。

料金はサロン価格を参考にして個人で決めるのが一般的。基本は自分を指名した顧客のみを担当し、サロンのメニューなどには従う必要はありません。

補足

面貸しとシェアサロンは、同じような意味で捉えられることもしばしば。両者の明確な違いは、’’シェアする目的で運営されているかどうか’’という1点のみになります。

まとめ

それぞれの違いを簡単にまとめると、以下のようになります。

契約形態シェアサロン業務委託面貸し
料金・売上に対する歩合または月極
・利用時間に応じた時間制料金
・独自のプラン
・還元率を元にした報酬
例)フリー:40%〜還元
指名:50%〜還元
・売上に対して60%前後の還元
・独自のプラン
メニュー設定自由サロンメニュー自由
薬剤費自己負担サロン負担基本はサロンで負担
集客個人集客サロン集客基本は個人集客

どの形態でも個人事業主ということに変わりはありませんが、3つの働き方にはそれぞれ大きな違いがあります。契約前にしっかりとチェックしておくことが大切です。

シェアサロンを利用するメリット

次に、シェアサロンを利用するメリットについて詳しく解説していきます。ぜひ自分にとってのベストな働き方を探りながら、読み進めてみてください。

①店舗を持つより圧倒的に低リスクで独立できる

本記事を訪問した方の中には、独立や店舗経営を最終目標に掲げる美容師さんも多いのではないでしょうか?

しかし皆さんご存知の通り、店舗開業における費用はかなり高額なもの。内装をはじめ運営資金などを含めると、初期投資だけでもおおよそ1,000万円以上の金額が発生してしまいます。

その点シェアサロンなら、このような資金を用意する必要はありません。基本は登録しているシェアサロンの利用料を払えばOK。月々にかかるお金をグッと抑えることができ、先立つものがない場合でも十分に独立することが可能です。

②手取り収入が増える/働き方次第で収入が増えることも

正社員の美容師や業務委託で働く場合と比較すると、シェアサロンを利用した方が手取り収入が増えるケースが多いです。

もちろんこれは働く量や報酬の還元率にもよりますが、多くのシェアサロンでは大体通常の給与よりもお得になるよう料金プランが設定されています。

具体的な料金相場などは、こちらで詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。
表参道のシェアサロンを徹底比較!料金プランや薬剤発注などをリサーチ

③会社に縛られない自由な働き方ができる

シェアサロンは基本的に営業時間が定められていないため、スケジュールは完全本人次第ということになります。さらに朝礼やミーティングなどの時間もなくなるので、自然と自由な時間が増えるでしょう。

もちろんWワークもOKですし、休日の日数を調整することも可能です。独立しシェアサロンで働くという選択は、まさに会社のルールや人間関係などに縛られない自由な働き方だと言えますね。

シェアサロンを利用するデメリット

キャリアやライフスタイルによっては、多少デメリットに感じることもあるかもしれません。デメリットやリスクもしっかりと知り、向き不向きをより明確にしましょう。

①自力で集客を行う必要がある

フリーランスの美容師は、自分で集客を行わなければいけません。とはいえ一人ではホットペッパービューティーなどの大手サイトの広告費を出すのは非常に大変なため、基本はSNSを駆使することが最重要になってきます。

そのほか、minimo(ミニモ)やrequpo(リクポ)などの集客媒体も積極的に活用していかなければなりません。

②薬剤は自己負担で購入する

利用するシェアサロンにもよりますが、薬剤は自己負担になることがほとんどです。さらにはじめのうちは、最適なディーラーやメーカーを開拓する必要もあります。

また、美容師1人で発注する薬剤の量はとても少ないので、その分単価も上がってしまうでしょう。利益率を上げるには、交渉や調査など新たなスキルが必要になります。

③経理など事務作業が増える

フリーランスでやっていくとなると、これまでサロン側が担っていた事務作業(経費や売り上げの計算、薬剤の仕入れと管理、確定申告、予約の管理や返信、etc…)を全てひとりで行わなければいけません。

慣れていないうちはかなり大変に感じることもあるでしょう。

シェアサロンの利用に向いている人

上記のメリットやデメリットから、以下のような人はシェアサロンの利用に向いていると言えます。

  • 低コスト / 低リスクで独立したい人
  • 独立後も美容師同士のコミュニティが欲しい人
  • 自分に合ったペースで美容師を続けたい人
  • 時間や場所を選ばないフレキシブルに働ける美容師になりたい人
  • 出産や育児、病気などで休業していたが、ゆっくりと美容師業務を再開したい人
  • 本業の傍ら、ダブルワークとして美容師を続けたい人
  • 自分の店舗を開業するまでの繋ぎの期間を活用したい人

このほかに、シェアサロンだけでしっかりと稼いで生活していきたいと考えている場合は、

『①自分ですでに顧客を持っている人』
『②新規顧客をしっかりと獲得していける人』

という2点が非常に大切になってきます。

シェアサロンで自分らしい働き方を見つけよう

さまざまなシェアリングサービスが存在する今の時代。美容室も複数人でシェアすることで、それぞれに新しい働き方を見つけていくことができます。

メリットやデメリットを抑えた上で、しっかり自分自身のライフスタイルや理想に寄り添った方法を探してみてくださいね!

次回は実際の料金設定をはじめ、シェアサロンで働く前の準備などを詳しく解説していきます。