不動産屋訪問の準備 | やっておくべき準備と持ち物リスト-vol.21

美容室経営成功の鍵を握る、不動産選定

独立開業したサロンが成功するか否か、70%以上を決めると言われる不動産選定。本連載では第17回より不動産屋を利用して物件を探していく具体的な方法について解説しております。

前回は効率的な訪問を行うためのリスト作成について、具体的に解説致しました。今回はそんなリストも含め、実際の訪問前にしておくべき準備について一通り解説していきます。

  • 不動産訪問の時はどんな物を準備しておくべき?
  • 訪問時、聞き忘れてはいけないことは?

こんな疑問をお持ちの方はぜひご覧ください。

1. 効果的・効率的な不動産訪問をするには準備が大切

効率的で効果的な不動産訪問をするためには、目的を明らかにしておき、必要な前準備を整えておくことが何より大切です。前回の訪問リスト作成もその一環というわけです。

第19回で解説した通り、不動産訪問の主な目的は次のようなことです。

  • 土地勘やエリア特性を養う
  • 不動産業界に詳しくなる
  • 優良な不動産屋を探し当て、関係を持つ

この目的を効率的に達成するための準備について解説していきましょう。

2. 不動産訪問前の前準備

訪問前には次のような準備をしておくと良いでしょう。

(1) 訪問リスト作成
(2) 希望不動産シート作成
(3) 名刺の準備
(4) 話す内容を決めておく
(5) 定休日を調べておく

では、順に解説していきます。

(1) 訪問リスト作成

まずは不動産会社の訪問リストを準備しましょう。これに実際のフィールドワークを無駄なく行うことができ、漏れや二度手間を防ぐことができます。
詳細や具体的な作り方は前回記事で詳細に解説しております。
不動産屋物件を絞り込んでリスト化する-vol.20

(2) 希望不動産シート作成

自分が希望する物件のスペックを一枚の紙にまとめておくことで、次のようなメリットがあります。

  • 不動産屋と効率的に話が進められる
  • 万が一訪問した不動産屋が賃貸店舗を取り扱っていなくても、このシートを渡しておけば情報の連絡をくれることもある

まとめるべきスペックとしては、

  1. 坪数
  2. 駅からの距離
  3. 階層
  4. 予算
  5. 築年数
  6. 場所
  7. 開店予定日
  8. 担当者名(自分の名前)
  9. お店の名前
  10. 連絡先

などが挙げられます。詳細は第18回で解説しておりますので、そちらをご覧ください。
不動産の種類と訪問の前準備|不動産の種類と店舗探しのコツ-vol.18

(3) 名刺の準備

こちらの身元と連絡先を示す名刺を用意しておくと、話がスムーズですし信頼性の向上にも繋がります。初店舗を探している段階だとまだ名刺は用意していない方が多いかも知れませんが、先に作っておくと便利でしょう。

パソコンとプリンターさえあれば簡単な名刺を作ることは簡単です。名刺用紙を買ってきて、無料の名刺作成ソフトをダウンロードすれば自分でも簡単に作れてしまいます。

あるいは、最近ならココナラなどのサービスを利用すればプロ品質の名刺を非常に低価格で作ってもらうことができます。

上の写真のように、デザインから印刷までを5,000円以内で依頼できるサービスもあります。検討してみると良いでしょう。

(4) 話す内容を決めておく

せっかくの訪問の機会を無駄にせず、意味のあるものにするためには最低限話すべきことを決めておくと良いでしょう。
次のようなことには最低限触れておくべきでしょう。

  1. 自己紹介
  2. 訪問の意図
  3. 探している不動産のスペック
  4. 自社物件や管理物件でスペックシートに該当する物件をお持ちかどうか
  5. 周囲の情報収集
  6. 「連絡をいつでも待っている」旨を伝える

自己紹介・訪問の意図

基本中の基本ですね。自分が何者であり、どんな目的できているのかを端的に伝えられるようにしておきましょう。
多くの場合、独立開業を目指す美容師であり、美容室として利用可能な店舗物件を探している旨を伝えることになります。

探している不動産のスペック

どんな物件を探しているのか、準備しておいた物件シートを交えつつ説明しましょう。特に重要視しているポイントなどがあれば、合わせて伝えるようにしましょう。

自社物件や管理物件でスペックシートに該当する物件をお持ちかどうか

第18回で解説した通り、その不動産会社自身で所有または管理している物件は有利に交渉を進めやすいです。

不動産会社としても借り手は欲しいはずですので、合致する物件があれば積極的に情報提供してくれるでしょう。候補となる物件を管理している不動産会社を見つけておき、関係を持っておくことは重要ですので、是非とも聞いておきましょう。

周囲の情報収集

不動産会社へ直接訪問する何よりのメリットは、会話の中で地域特性などを知ることができることです。例えば、次のようなことを聞けると良いでしょう。

  • 美容室の出入り
  • 美容室以外のテナントの出入り
  • ビルのサイズ
  • 周辺の相場
  • 周辺で人気がある美容室
  • 人気美容室に関する噂や流行する理由など

特に、地域密着の個人不動産会社はこのような情報を多く持っていることがあります。自分のお店のコンセプトに合わせて知りたい情報を吟味し、その土地のリアルな地域情報を入手できるよう準備を整えておきましょう。

その他

そのほか、たとえば具体的に気になる物件があって内見しにいきたい場合なら、その物件の評価や前のテナントについての情報なども聞いておくと参考になります。

毎回長続きせず撤退してしまう物件の場合、立地など何かに問題があることも考えられます。
このようなリアルな話はできるだけ聞いて、最終判断の材料を増やしておきましょう。

「連絡をいつでも待っている」旨を伝える

最後に、たとえあまり手応えがなかったように感じても、訪問した不動産屋には必ず名刺は渡して「いつでも連絡お待ちしています」という旨は伝えるようにしましょう。

その時はめぼしい物件がなかったとしても、訪問後に解約予定の物件が現れる場合もあります。また、不動産会社は独自のネットワークを持っていますので、あとで調べてくれることもあります。

また、一回に限らず二回三回と訪問をしていくと、一回目には聞けなかった情報をいただける場合もあります。一期一会の精神で、関係性は大事にするようにすると良いでしょう。

(5) 定休日を調べておく

もう一つ大事なのは定休日をあらかじめ調べておくことです。せっかく訪問したのに定休日で空振りに終わってしまうのは避けたいところです。

不動産業界は日曜休みのほか、水曜定休のことも多いです。ちなみにこれは、水曜日の「水」が「流れる」ということを連想させるため、「契約が水に流れる」と縁起が悪いとされているためです。

また、水曜日だけでなく土日祝日もフィールドワークは避けた方が無難です。土日祝日は不動産会社が忙しく、満足に情報収集ができないことがあるからです。

フィールドワークは水曜以外の平日に行い、訪問予定の不動産会社の定休日は事前にチェックしておくようにしましょう。

3. 不動産訪問時の持ち物

実際に不動産会社を訪問する時は、次のような物を揃えておくと便利です。

  • スマートフォン
  • 物件スペックシート
  • 訪問リスト
  • 名刺
  • メモカードやメモパッド
  • 赤ペンなど
  • メンディングテープ(マスキングテープ)またはホチキス
  • クリアファイル(2枚)
  • バインダー
  • 印鑑
  • ラップトップ

スマートフォン

スマートフォンで特に使用するのは

  • Google map
  • カメラアプリ
  • ブラウザアプリ

などでしょう。Google Mapで不動産会社の場所を調べるのはもちろん、内見中やフィールドワークで気になったことは写真に残しておくと便利です。

また、何か気になったことがあればブラウザアプリですぐに調べることもできます。
ないと困りますので、不安な場合はモバイルバッテリーも持っておくと安心です。

物件スペックシート・訪問リスト・名刺

これは前述の通りです。確実に持参しましょう。

赤ペンなど

もらった資料にラインを引いたり、書き込んだりできる筆記用具を用意しておきましょう。これだけで万能に使える赤ペンが一つあると便利です。

メモカードやメモパッド・メンディングテープ(マスキングテープ)またはホチキス

メモは手帳型よりもカードタイプのものや、一枚ずつ切り離せる物にしておくと便利です。
不動産会社でもらった資料とメモした内容を貼り付け、一緒に保管しておくことができるからです。
貼り付ける道具(テープやホチキス等)も一緒に持参しておくと便利です。

クリアファイル(2枚以上)

クリアファイルは最低2枚用意しておくと便利です。一つは自分で用意した「物件スペックシート」「訪問リスト」をしまっておくのに使い、もう一つは不動産屋からもらった資料を入れるのに使います。
複数件の不動産会社に訪問予定の日は、訪問予定数に合わせてクリアファイルを用意しておくと整理しやすいです。

バインダー

資料やクリアファイルをまとめるバインダーもあると便利です。バインダーがあればフィールドワーク中など立ったままでのメモもしやすくなるメリットもあります。

ラップトップ(ノートパソコン)

必須ではありませんが、ラップトップ(ノートパソコン)も持っておくと便利なことがあります。移動の合間に資料をまとめたり、リストを更新したりすることができます。
持ち運びに便利な軽くて頑丈なものが良いでしょう。

印鑑

最終決定をしたいとき、印鑑は確実に必要となります。調査のみのつもりで訪問する場合も万が一に備え、印鑑は携帯しておくと良いでしょう。

4. まとめ

今回は「不動産訪問の準備」について具体的に解説しました。今回のポイントをおさらいしましょう。

  • 不動産訪問は事前準備が大切
  • 最低限話すべき内容は考えておき、聞き漏れ・二度手間がないようにしておく
  • メモは手帳タイプで花菊、資料とまとめて保管できるカード型や一枚ずつ切り離せるタイプにすると便利
  • クリアファイルやバインダーもあると便利

次回からは、候補物件から物件を決定するまでの流れについて解説していきます。

この連載があなたの独立開業の助けになれば幸いです。